
「中学生から大学進学を目指すならSTUDY HOUSE」
↓
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ネガティブな比較はする必要はない。
僕は都合がいいので、悪い比較は一切しません。ー本田圭佑ー
NHKへの見学の際に見たポスター。


外れまくっていた、この10年。
そろそろ軌道修正かなっ?って思っていたけど
でも
道ができていることを立証してくれている教え子たちがいるのも事実。
今年の9期生。
マンモスです。
成績がマンモス級に好成績のままキープされています。
さて
自分で学べる人は、何を繰り返しているのか
自己調整学習という教育の最終目標
「先生が課題を決めてくれれば勉強できます」
「次に何をすればよいか、毎回教えてください」
「塾では勉強するけれど、家では何をすればよいか分かりません」
「テストが終わったので、次の指示が出るまで休みます」
このような生徒は、決められた課題へ真面目に取り組めることがあります。
提出物も出す。
授業も受ける。
宿題も終わらせる。
しかし、指示を出す人がいなくなると、学習が止まります。
次のテストまで何日あるのか。
どの教科を優先すべきか。
どこまで理解できているのか。
何が定着していないのか。
計画どおりに進まなかった原因は何か。
こうしたことを、自分では判断できないからです。
反対に、自分で学べる生徒は、最初からすべてを一人で決められるわけではありません。
失敗しないわけでもありません。
計画を完璧に守れるわけでもありません。
自分で学べる生徒が繰り返しているのは、
正しい計画を一度でつくること
ではありません。
計画する。
実行する。
結果を確認する。
原因を考える。
方法を修正する。
もう一度実行する。
という循環です。
学習方法がうまくいかなければ、学習方法を変える。
計画量が多すぎれば、量を調整する。
知識が残っていなければ、再テストを増やす。
時間が足りなければ、開始時刻や優先順位を見直す。
自分の学習を観察し、必要な修正を加えながら、もう一度実行します。
この力は、教育心理学では自己調整学習という枠組みで研究されてきました。
自己調整学習とは、誰にも頼らずに勉強することではありません。
自分の目標、思考、感情、行動、環境を調整しながら、学習目標へ向かう過程です。
この章では、
自己調整学習。
Zimmermanの循環モデル。
メタ認知。
自己効力感。
フィードバック。
目標設定。
という科学概念から、自分で学べる人が繰り返していることを考えます。
そして、STUDY HOUSEの、
学習計画表。
週次面談。
家族LINE。
確認テスト。
教科書一元管理。
BLACKノート。
REPLAY。
を、自己調整学習を育てる支援として検討します。
本シリーズ全体の結論は、次のとおりです。
管理され続けることが目的ではありません。
他者からの支援を受けながら、自分の学習を自分で観察し、修正し、再実行できる人になること。
それが、学習管理の最終目標です。
自分で学べる人は、意志が強い人なのか
自分で学べる生徒を見ると、
もともと真面目だから。
意志が強いから。
頭がよいから。
将来の目標が明確だから。
と考えたくなります。
もちろん、性格、家庭環境、過去の成功経験、学習への関心などは影響します。
しかし、自己調整学習は、生まれつきの性格だけではありません。
学習中に使われる複数の技能と過程から成り立っています。
目標を決める。
課題を分析する。
必要な時間を見積もる。
学習方法を選ぶ。
集中できる環境をつくる。
進行状況を記録する。
理解度を確認する。
失敗の原因を分析する。
必要に応じて助けを求める。
次の行動を修正する。
これらは、練習し、支援を受けながら身につけられるものです。
したがって、
自分からできるようになるまで待つ
だけでは不十分です。
一方で、大人がいつまでもすべてを決めることも、自立にはつながりません。
必要なのは、生徒が自分で調整できる範囲を、少しずつ広げることです。
自己調整学習とは何か
Barry Zimmermanは、自己調整された学習者を、学習へ能動的に関わる存在として捉えました。
自己調整学習には、認知的な学習方法だけでなく、
自分の考えを観察するメタ認知。
行動を開始し継続する動機づけ。
時間や場所を整える環境調整。
理解度や進み具合を確認する自己観察。
結果を評価し、次の方法を変える自己反省。
などが含まれます。
例えば、英単語が覚えられない生徒がいるとします。
自己調整が十分でない場合は、
何となく単語帳を見る。
時間が来たら終える。
テストでできなくても、また同じように見る。
という学習を続けます。
自己調整が働く場合は、
今週は何語を覚えるか。
どの向きで答えられるようにするか。
何秒以内に答えるか。
いつ確認テストをするか。
何語間違えたか。
どの間隔で再テストするか。
を決めます。
実行後に結果を確認し、覚えられていなければ方法を変えます。
大切なのは、勉強したかどうかだけではありません。
自分の学習が目標に近づいているかを確認し、必要なら調整できることです。
Zimmermanの循環モデル
Zimmermanの自己調整学習モデルでは、学習は大きく三つの段階が循環すると考えられています。
予見段階。
遂行段階。
自己省察段階。
です。
予見段階
学習を始める前の段階です。
課題を分析する。
目標を設定する。
方法を計画する。
必要な時間を見積もる。
自分にできそうかを判断する。
何のために取り組むのかを確認する。
ここでは、目標設定や計画だけでなく、自己効力感や結果への期待も関係します。
遂行段階
実際に学習する段階です。
計画した方法を使う。
集中を維持する。
自分の進み具合を見る。
時間を確認する。
理解できているかを監視する。
必要なら環境や方法を変える。
学習中の自己観察と自己統制が中心になります。
自己省察段階
学習後に結果を振り返る段階です。
目標を達成したか。
何ができたか。
何ができなかったか。
なぜその結果になったか。
次に何を変えるか。
を考えます。
この振り返りが、次の予見段階へ影響します。
つまり、自己調整学習は一直線ではありません。
計画して終わりでもありません。
振り返りによって、次の計画を変える循環です。
STUDY HOUSEの学習サイクルとの対応
STUDY HOUSEでは、この循環を次のように具体化します。
目標設定
↓
計画
↓
実行
↓
記録
↓
確認
↓
原因分析
↓
修正
↓
再実行
このサイクルは、一度回せば終わるものではありません。
一日単位。
一週間単位。
定期テスト単位。
模試単位。
受験期全体。
それぞれの時間軸で繰り返します。
目標設定と計画が予見段階に当たります。
実行と記録が遂行段階に当たります。
確認、原因分析、修正が自己省察段階に当たります。
そして、修正後の再実行が、次の循環の始まりになります。
Zimmermanは自己調整学習をどのように研究したのか
Zimmermanの循環モデルは、一つの実験だけから生まれたものではありません。
社会的認知理論、熟達者研究、学習方略研究、自己効力感研究などを統合しながら発展した理論モデルです。
ZimmermanとMartinez-Ponsは1980年代、中高生を対象として、学習中にどのような自己調整方略を使っているかを調査しました。
生徒に、授業、宿題、テスト勉強などの具体的な場面を提示し、
そのような場面で、あなたはどのように勉強するか
を面接によって尋ねました。
回答は、
目標設定と計画。
情報の整理と変換。
自己評価。
記録とモニタリング。
環境の調整。
援助要請。
復習。
などの方略に分類されました。
研究では、学業成績の高い生徒ほど、複数の自己調整方略を多く報告する傾向が示されました。
ただし、この研究は主に面接による自己報告です。
生徒が話した方法を、実際に常に使っていたとは限りません。
また、成績が高いから自己調整方略を使えるのか、自己調整方略を使うから成績が高くなるのか、単純な相関だけでは因果関係を確定できません。
それでも、成績の高い生徒は、ただ長く勉強しているだけではなく、目標、記録、環境、援助要請などを含む複数の方法を使っていることを示した重要な研究です。
自己調整学習と学業成績の関係
Amy DentとAlison Koenkaは2016年、小学生から高校生までを対象とした研究を集め、自己調整学習と学業成績の関係についてメタ分析を行いました。
メタ分析とは、一定の基準を満たす複数の研究を集め、結果を統計的に統合する方法です。
研究では、
目標設定。
計画。
自己観察。
自己評価。
メタ認知的調整。
などの過程と学業成績との関係が検討されました。
結果として、メタ認知的な過程と学業成績には小さいながら正の関連があり、認知的な学習方略と学業成績にも正の関連が確認されました。
ただし、関連の大きさは一様ではありませんでした。
どの自己調整過程を測定したか。
どの教科を対象としたか。
どの学年か。
質問紙、観察、発話など、どの測定方法を使ったか。
どの種類の成績を使ったか。
によって結果が変化しました。
この結果は、自己調整学習が成績と関係することを支持します。
しかし、
自己調整学習だけで成績が決まる
という意味ではありません。
教科知識、授業の質、家庭環境、学校制度、認知能力、健康状態など、多くの要因が関係します。
また、相関研究を統合した部分では、自己調整学習が成績を上げたと因果的に断定することはできません。
自己調整学習は教えられるのか
Charlotte Dignath、Gerhard Büttnerらは、小中学生を対象とした自己調整学習の介入研究をメタ分析しました。
介入研究では、通常の授業や学習に加えて、
目標設定。
学習方略。
メタ認知。
自己観察。
振り返り。
動機づけ。
などを明示的に教えた集団と、比較対象となる集団の結果を検討します。
小学生を対象とした分析では、30本の論文に含まれる48の比較が統合されました。
別の分析では、小学生と中高生の介入研究を分け、合計357の効果量が検討されました。
全体として、自己調整学習を促す介入は、
学業成績。
認知的・メタ認知的方略。
動機づけ。
に肯定的な効果を示しました。
ただし、どの介入も同じ効果を持ったわけではありません。
生徒の年齢。
介入期間。
指導した方略。
教科。
教師による支援。
研究の質。
などによって効果は異なりました。
また、研究プログラムの中では方略を使えても、支援がなくなった後の日常学習で継続できるかは、別に確認する必要があります。
この研究が示すのは、
自己調整学習は本人の性格だから教えられない
という見方が適切ではないことです。
少なくとも一部の技能は、明示的に教え、練習し、支援できます。
メタ認知とは何か
メタ認知とは、自分の認知について知り、観察し、調整する働きです。
簡単に言えば、
自分は今、何が分かっているか。
何が分かっていないか。
この方法で覚えられているか。
問題を正しく理解しているか。
このまま続けるべきか。
方法を変えるべきか。
を考える力です。
John Flavellは、メタ認知研究を発展させた代表的な研究者です。
メタ認知には、
どのような学習方法が有効かについての知識。
自分の得意・不得意についての知識。
課題の難しさについての知識。
理解度や進行状況を監視する働き。
必要に応じて方法を変える調整。
などが含まれます。
自分で学べない生徒は、必ずしも勉強方法を一つも知らないわけではありません。
方法を使った結果を確認していないことがあります。
教科書を3回読んだ。
しかし、何も見ずに説明できるかを確かめていない。
問題集を解いた。
しかし、翌日に再現できるかを確認していない。
計画を立てた。
しかし、予測時間と実際の時間の差を見ていない。
メタ認知が働く学習では、実行と確認がセットになります。
メタ認知は正確とは限らない
自分の学習を自分で観察するといっても、本人の判断が常に正しいわけではありません。
生徒は、
分かっています。
覚えました。
次はできます。
と感じても、実際には再現できないことがあります。
読み直しや解説の理解によって、内容が親しみやすくなると、
自分で取り出せる
と誤って判断しやすくなります。
したがって、自己調整学習は、本人の感覚だけに任せることではありません。
確認テスト。
学習記録。
正答率。
再テスト。
時間測定。
第三者からのフィードバック。
といった外部のデータを使い、自己評価の精度を高める必要があります。
「自分ではできると思った」
という感覚と、
実際に何も見ずに解けた
という結果を照合します。
この照合を繰り返すことで、自分の理解度をより正確に予測できるようになります。
自己効力感とは何か
自己効力感とは、ある課題や状況において、必要な行動を自分が実行できるという見込みです。
Albert Banduraが社会的認知理論の中で発展させた概念です。
自己効力感は、
自分は価値のある人間だ
という全般的な自己肯定感とは異なります。
例えば、
数学が得意な人間だ
という広い評価ではなく、
一次関数の基本問題なら、自分で解けそうだ。
今週の英単語100語を、決めた方法で覚えられそうだ。
明日の確認テストに向けて、必要な復習を実行できそうだ。
という課題に対する具体的な見込みです。
自己効力感が高い生徒は、一般に、
難しい課題へ取り組みやすい。
努力を続けやすい。
失敗後に再挑戦しやすい。
有効な方略を使いやすい。
傾向があります。
しかし、根拠のない自信があればよいわけではありません。
実際にはできていないのに、
自分なら何とかなる
と思うだけでは、計画や準備を怠る可能性があります。
必要なのは、実行と成功経験に支えられた自己効力感です。
自己効力感を育てる四つの情報
Banduraは、自己効力感を形成する主な情報源として、次のようなものを挙げています。
遂行達成
自分で実行し、成功した経験です。
最も重要な情報源の一つです。
ただし、簡単すぎる課題だけを成功させても、難しい課題への自己効力感にはつながりにくい場合があります。
努力と方法の修正によって達成した経験が重要です。
代理経験
自分と似た人が成功する様子を見ることです。
同じ学年、似た成績だった生徒が、具体的な学習方法によって伸びた事例は、
自分にもできるかもしれない
という見込みにつながります。
言語的説得
教師や保護者から、
あなたならできる
と伝えられることです。
ただし、根拠のない励ましだけでは持続しません。
「先週は50語だったが、今週は80語を再現できた」
という事実を伴うフィードバックが重要です。
生理的・感情的状態
強い不安、疲労、緊張などを、
自分には能力がない証拠
と解釈すると、自己効力感が下がることがあります。
生活、睡眠、課題量を整え、取り組める状態をつくることも必要です。
STUDY HOUSEでは、励ますだけでなく、小さな実行と確認を繰り返し、成功の根拠を可視化します。
失敗の原因をどう考えるか
同じ失敗でも、その原因をどう捉えるかによって、次の行動が変わります。
「自分は頭が悪いからできない」
と考えれば、修正できる行動が見つかりません。
「今回は勉強時間が少なかった」
「検索練習が不足していた」
「計画量が多すぎた」
「IFを見落とした」
「再テストの間隔が空きすぎた」
と捉えれば、次の方法を変えられます。
自己省察で必要なのは、自分を責めることではありません。
結果を美化することでもありません。
修正可能な原因を見つけることです。
ただし、すべてを本人の努力だけに帰すべきでもありません。
教材が難しすぎた。
説明が不十分だった。
学習時間を確保できない家庭事情があった。
健康上の問題があった。
課題量が過大だった。
こうした環境要因も確認する必要があります。
自己調整とは、すべてを自己責任にすることではありません。
自分で変えられる部分と、周囲の支援が必要な部分を分けることです。
目標設定は具体的であれば十分なのか
学習では、
目標を具体的にしよう
と言われます。
確かに、
英語を頑張る
より、
英単語を100語、何も見ずに答えられるようにする
の方が行動は明確です。
目標設定研究で知られるEdwin LockeとGary Lathamは、数多くの実験や現場研究を通して、具体的で挑戦的な目標が、一定の条件のもとで遂行を高めることを示してきました。
研究では、作業課題、組織での業務、学習など、さまざまな場面で、
曖昧な目標。
単に「最善を尽くす」という目標。
具体的な到達基準を持つ目標。
が比較されました。
全体として、適切に設定された具体的で挑戦的な目標は、注意、努力、持続、方略の探索を促します。
ただし、目標は具体的であれば何でもよいわけではありません。
難しすぎて達成不能な目標。
本人が受け入れていない目標。
方法を知らない課題への結果目標。
複数の目標が競合する状況。
過度に短期的な点数だけを求める目標。
では、逆効果になることがあります。
初学者や複雑な課題では、
90点を取る
という結果目標だけでなく、
問題文の条件へ印を付ける。
毎日100語を検索する。
誤答をMISTAKE分類する。
といった過程目標が必要です。
結果目標と過程目標
志望校へ合格する。
模試でA判定を取る。
定期テストで450点を取る。
これらは重要な結果目標です。
しかし、結果目標だけでは、今日の行動が決まりません。
そこで、過程目標へ分解します。
毎日、何時から始めるか。
何語を検索するか。
何問を自力で解くか。
何回REPLAYするか。
どのMISTAKEを修正するか。
いつ確認テストを受けるか。
自己調整学習では、遠い結果目標と、日々の過程目標を接続します。
結果目標は方向を示します。
過程目標は、今日の行動を示します。
フィードバックは自己調整を支える
自分で学べるようになるためには、外部からのフィードバックが不要になると思われることがあります。
しかし、自己調整の発達には、教師、保護者、教材、テストなどからのフィードバックが重要です。
本人は、自分の理解度や方法を正確に判断できるとは限りません。
そこで、
目標に対して、現在どこにいるか。
何ができているか。
何が不足しているか。
次に何を変えるか。
という情報を受け取ります。
ただし、大人が毎回、
次はこれをしなさい。
この方法でやりなさい。
と答えを決め続けると、生徒自身が判断する機会を失います。
自己調整を育てるフィードバックでは、
今回の結果を、自分ではどう見ている?
計画と実績に、どのような差があった?
どのMISTAKEが多かった?
次は何を変える?
と問い、生徒自身の分析を促します。
必要な時には具体的な助言を行う。
しかし、少しずつ本人へ判断を返していきます。
自立と放任は違う
「自分で考えなさい」
「もう中学生なのだから、自分で計画しなさい」
「いつまでも親や先生に言われなくても分かるでしょう」
このような言葉だけで、自立が育つとは限りません。
計画を立てた経験が少ない。
必要な学習量を知らない。
教材の難易度を判断できない。
自分の理解度を正確に測れない。
そのような生徒へ、すべてを任せれば、何から始めればよいか分かりません。
自立とは、支援を突然なくすことではありません。
最初は大人がモデルを示す。
次に一緒に行う。
一部を本人に任せる。
結果を一緒に確認する。
本人が判断できる範囲を広げる。
必要な時だけ支援する。
このように、支援を段階的に変化させます。
他者から学ぶ段階を経て、自分で調整できるようになる
Zimmermanは、自己調整能力の発達について、複数の段階を示しています。
観察
熟達した人の方法を見る段階です。
教師が、問題文のどこを見るかを示す。
学習計画表の立て方を見せる。
BLACKノートの書き方を示す。
模倣
支援を受けながら、同じ方法を使う段階です。
見本を参考にして、IFとTHENを書く。
教師と一緒に週の計画を立てる。
自己統制
慣れた条件の中で、一人でも方法を実行できる段階です。
決められた形式を使い、自分で学習を進める。
自己調整
状況に応じて、自分で方法を選び、変えられる段階です。
教科や単元、自分の習得状態に応じて、学習方法を調整する。
この考え方からも、
最初から一人でできること
が自立なのではないと分かります。
他者の支援を内面化し、自分で使えるようになる過程が必要です。
STUDY HOUSEでの実装① 学習計画表で目標を行動へ変える
STUDY HOUSEの学習計画表は、大人が課題を一方的に書き込むだけの管理表ではありません。
目標と現在地をつなぎ、日々の行動を設計するための道具です。
学習計画表には、
教科名だけ。
教材名だけ。
学習時間だけ。
を書くのではありません。
何を。
どこからどこまで。
何問、何語、何ページ。
どの方法で。
どの状態になるまで。
いつ確認するか。
を記録します。
例えば、
英単語301番から400番。
日本語から英語を答える。
1語5秒以内。
間違えた語は暗記ツールへ残す。
翌日と3日後に再テストする。
という形です。
最初は担任が具体化を支援します。
慣れてきたら、生徒自身に、
今週は、どこまで進める必要がある?
一日当たり、どれくらいになる?
どこに復習日を入れる?
と問い、計画の主体を少しずつ本人へ移します。
STUDY HOUSEでの実装② 週次面談で循環を回す
週次面談は、課題を追加するだけの時間ではありません。
前の一週間を振り返り、次の一週間を修正するための時間です。
確認するのは、
計画したこと。
実際に行ったこと。
達成できたこと。
達成できなかったこと。
確認テストの結果。
MISTAKEの内容。
生活上の問題。
次週の修正。
です。
面談では、いきなり先生が評価を伝えるのではなく、まず本人へ聞きます。
「今週を自分ではどう評価する?」
「計画と実績の差はどこにあった?」
「うまくいった方法は何?」
「来週も続けるものは何?」
「変えるべきものは何?」
本人の自己評価と、記録やテスト結果を照合します。
この対話を繰り返すことで、自分の学習を観察する視点を育てます。
STUDY HOUSEでの実装③ 家族LINEを監視ではなく共有にする
家族LINEでは、生徒の学習状況を家庭へ共有します。
ただし、目的は生徒を四六時中監視することではありません。
保護者、本人、指導者の認識をそろえ、不必要な衝突を減らすためです。
家庭では、
今日は勉強したの?
宿題は終わったの?
本当に大丈夫なの?
という確認が繰り返されがちです。
学習計画と実績が共有されていれば、
何をする予定なのか。
どこまで進んでいるのか。
何に困っているのか。
次に何を修正するのか。
を、記録に基づいて確認できます。
ただし、家族LINEの情報が、
毎日の未達成を責める材料
になれば、生徒は記録を隠すようになります。
家族LINEは、学習の透明性を高める道具です。
人格評価や監視の強化へ使わないことが重要です。
STUDY HOUSEでの実装④ 確認テストで自己評価の精度を上げる
「覚えたと思います」
「もう大丈夫です」
という感覚だけでは、学習完了としません。
確認テストを行います。
教材を閉じる。
ヒントをなくす。
時間を測る。
何も見ずに答える。
結果を記録する。
自己予測と実際の結果を比べます。
例えば、テスト前に、
100語中、何語答えられると思う?
と予測させます。
実際に確認テストを行い、予測と結果を比べます。
予測が90語で、結果が55語なら、
自分の「覚えた」という判断が甘かった
ことが分かります。
これを責めるのではなく、次の学習判断へ使います。
何度も予測と結果を照合することで、メタ認知の精度を高めます。
STUDY HOUSEでの実装⑤ 教科書一元管理で知識の現在地を見える化する
情報が、
学校のノート。
塾のプリント。
問題集の余白。
付箋。
スマートフォンの写真。
に分散していると、何を知っていて何が不足しているのか分かりにくくなります。
そこで、学習の中心となる教科書へ知識を一元化します。
授業で理解したこと。
問題演習で不足していたこと。
MISTAKEから学んだこと。
頻出するIFとTHEN。
自分が間違えやすい条件。
を教科書へ肉付けします。
教科書一元管理は、きれいなまとめノートをつくることが目的ではありません。
自分の知識の現在地を確認し、必要な情報へ戻れるようにすることが目的です。
STUDY HOUSEでの実装⑥ BLACKノートで原因分析を行う
BLACKノートには、誤答の正解だけを書きません。
なぜ間違えたのか。
どの条件を見落としたのか。
何を知らなかったのか。
どの判断を誤ったのか。
次は何を確認するのか。
を記録します。
自己調整学習において重要なのは、
できなかった
という評価から、
次に何を変えるか
へ進むことです。
例えば、
MISTAKE
割合の問題で、もとにする量を逆にした。
原因
問題文に先に出た数字を、無条件でもとにする量だと決めた。
修正
何を基準として比べているかを先に確認する。
次の行動
類題を3問解き、翌日にREPLAYする。
このように、原因分析を具体的な再実行へ接続します。
STUDY HOUSEでの実装⑦ REPLAYで修正が定着したか確かめる
修正方法を考えただけでは、自己調整の循環は完了しません。
もう一度実行する必要があります。
その場で解き直す。
翌日に再検索する。
3日後に再確認する。
一週間後に類題へ使う。
初見問題で転移を確かめる。
REPLAYによって、
修正したつもり
と、
実際に修正できた
を区別します。
REPLAYの結果が悪ければ、もう一度原因を分析します。
知識の入れ直しが必要なのか。
検索回数が不足したのか。
問題の判断基準が曖昧なのか。
課題が難しすぎたのか。
修正し、再実行します。
これが自己調整学習の循環です。
STUDY HOUSEでの実装⑧ 支援の量を段階的に減らす
学習管理型の指導には、一つの危険があります。
大人が計画、確認、修正をすべて行えば、生徒はよく勉強するように見えます。
しかし、生徒自身が判断していなければ、管理者がいなくなった時に学習が止まります。
そこで、支援の量を段階的に変えます。
最初は、
担任が計画案をつくる。
教材と範囲を指定する。
確認日を決める。
MISTAKEの分類を一緒に行う。
次の段階では、
生徒が計画案をつくる。
担任が量と方法を確認する。
本人が原因を説明する。
さらに進めば、
本人が目標、計画、確認方法を決める。
必要な時に相談する。
結果を報告し、修正案を出す。
という形へ移行します。
管理を突然なくすのではありません。
外側にあった管理の機能を、少しずつ本人の中へ移します。
STUDY HOUSEでの実装⑨ 援助要請も自己調整の一部と考える
自分で学ぶことは、分からない問題をすべて一人で解決することではありません。
必要な時に、適切な助けを求めることも自己調整です。
ただし、
答えを教えてください
だけでは、次も同じところで止まります。
生徒には、
どこまでは分かったか。
どこから分からないか。
何を試したか。
何について説明が必要か。
を言葉にしてもらいます。
例えば、
「この問題が分かりません」
ではなく、
「相似だと思いましたが、二組目の等しい角を見つけられません」
と伝える。
援助要請を具体化することで、自分の理解状態を観察する力も育ちます。
STUDY HOUSEでの実装⑩ 成功だけでなく修正の成功を評価する
計画を100%達成した生徒だけを評価すると、失敗を隠すようになることがあります。
自己調整学習で重要なのは、
最初から失敗しないこと
だけではありません。
計画が崩れた後に、
原因を説明できた。
計画を修正できた。
再実行できた。
前回より早く立て直せた。
ことも成長です。
例えば、
今週は予定の60%しかできなかった。
しかし、開始時刻が曖昧だったことに気づいた。
来週は帰宅後30分以内に開始する。
確認テスト日も先に決めた。
翌週は実行率が80%になった。
この変化を評価します。
自分で立て直せた経験は、自己効力感の根拠になります。
自己調整学習を阻むもの
自己調整学習を教えても、すぐに自分でできるようになるとは限りません。
阻害要因には、さまざまなものがあります。
課題の意味が分からない。
達成可能性を感じられない。
学習方法を知らない。
自分の理解度を正確に判断できない。
失敗を見ることが怖い。
保護者や教師から評価されることへ不安がある。
計画を守れなかった時に強く責められる。
睡眠不足や心身の不調がある。
家庭で勉強できる環境がない。
注意や実行機能に困難がある。
このような場合に、
自分で管理しなさい
と要求するだけでは改善しません。
本人が調整できる問題なのか。
環境を変える必要があるのか。
専門的な支援が必要なのか。
を見極める必要があります。
自己調整は「自分だけで責任を負うこと」ではない
自己調整学習という言葉は、誤って使われると、
成績が上がらないのは、本人が自己管理できないからだ
という責任転嫁になります。
しかし、学習は本人だけで成立するものではありません。
教師が分かりやすく教えること。
適切な難易度の教材を用意すること。
学習時間を確保できる環境をつくること。
安心して質問できる関係をつくること。
必要な支援を提供すること。
これらは教育する側の責任です。
自己調整学習とは、大人の責任をなくす考えではありません。
適切な支援を受けながら、生徒自身も学習過程の主体になるという考えです。
研究から言えること
ここまでの研究から、次のことが示唆されます。
自己調整学習は、目標設定、計画、方略使用、自己観察、自己評価、修正などが循環する過程として捉えられます。
自己調整学習には、認知だけでなく、メタ認知、動機づけ、感情、行動、環境調整が関係します。
メタ認知的な過程や学習方略の使用は、小中高校生の学業成績と正の関連を持ちます。
自己調整学習を明示的に教える介入は、条件によって、学業成績、方略使用、動機づけを改善する可能性があります。
自己効力感は、課題への選択、努力、持続、失敗後の再挑戦と関係します。
具体的な目標やフィードバックは、学習者が目標と現在地との差を理解し、行動を修正するために役立ちます。
したがって、自分で学べる人とは、
誰にも教えられずに学べる人
ではありません。
支援、記録、結果を使いながら、自分の学習を調整できる人です。
研究からは断定できないこと
一方、自己調整学習を万能視することはできません。
多くの研究では、質問紙や面接による自己報告が使われています。
人が、
この方略を使っている
と答えても、実際の学習場面で同じように使っているとは限りません。
自己調整学習と成績の相関があっても、因果の方向は単純ではありません。
成績が上がることで自己効力感が高まり、自己調整方略を使いやすくなる可能性もあります。
介入研究で効果が示されても、
別の教科へ転移するか。
支援終了後も継続するか。
長期的な成績向上につながるか。
については、結果が一様ではありません。
また、年齢、発達段階、文化、教科、学校環境によって、有効な支援方法は異なります。
すべての生徒に同じ形式の学習計画表や振り返りを与えればよいわけではありません。
さらに、自己効力感を高めることは重要ですが、実際の技能や準備を伴わない過大な自信は、適切な学習を妨げることがあります。
自己調整学習は、
計画表を書けば身につく。
振り返りを書けば自立する。
本人に任せれば育つ。
という単純なものではありません。
計画、実行、記録、確認、修正を、実際の教科学習の中で繰り返す必要があります。
シリーズ全体で見てきたこと
本シリーズでは、学習が止まる理由を、本人の意志や性格だけで説明しないことを大切にしてきました。
人は、将来より現在の快適さを優先することがあります。
勉強時間を、習得した知識と混同することがあります。
読めば分かる状態を、自力で取り出せる状態だと誤認します。
自分に都合のよい情報を探すことがあります。
失敗した時に、自尊心を守るため他者へ原因を求めることがあります。
他人の評価を気にする一方、指摘されると反発することがあります。
誤答を、次の学習へ使わず、評価の終点として受け取ることがあります。
例題の答えを覚え、条件から解法を選ぶ判断を学んでいないことがあります。
これらは、単なる甘えや怠けだけではありません。
人間の認知、感情、動機づけ、社会的関係に根ざした現象です。
だからこそ、
もっと頑張りなさい。
やる気を出しなさい。
自分で考えなさい。
という言葉だけでは変わりません。
学習を、実行可能な構造へ変える必要があります。
学習管理の目的は、管理を強めることではない
学習管理という言葉には、
先生が予定を決める。
課題を監視する。
できなければ注意する。
という印象があるかもしれません。
しかし、本来の学習管理は、生徒を大人の指示へ依存させるものではありません。
最初は外部の支援によって、
目標の決め方。
計画の立て方。
学習方法の選び方。
記録の取り方。
確認の仕方。
誤答の分析方法。
修正の仕方。
を経験します。
やがて、その機能を本人が担えるようにします。
先生が毎回、
今日はこれをしなさい
と指示するのではなく、生徒が、
今の目標なら、今日はこれをする必要がある。
昨日の確認テストで検索失敗が多かったので、今日は再テストを入れる。
予定より進まなかったので、原因を確認して計画を分け直す。
と判断できるようになる。
これが、学習管理の到達点です。
最後に
自分で学べる人は、特別な方法を一度だけ成功させた人ではありません。
次の循環を繰り返している人です。
目標設定。
どこへ向かうのかを決める。
計画。
目標を、今日実行できる行動へ分ける。
実行。
決めた方法を実際に試す。
記録。
何を、どこまで、どのように行ったかを残す。
確認。
記憶や理解が本当に成立しているかをテストする。
原因分析。
計画と結果に差が生まれた理由を考える。
修正。
量、方法、環境、時間、支援を変える。
再実行。
修正した方法をもう一度試す。
そして、再実行の結果を再び確認します。
自分で学べる人も、計画を失敗します。
勉強を先延ばしする日があります。
テストで間違えます。
自分の理解度を誤って判断することもあります。
違いは、失敗しないことではありません。
失敗を見て、修正し、学習へ戻れることです。
教育の最終目標は、生徒を永遠に管理することではありません。
すべてを一人で抱えさせることでもありません。
他者から必要な支援を受ける。
自分の学習を記録する。
結果を確認する。
できなかった原因を分析する。
方法を修正する。
もう一度実行する。
必要な時には、適切に助けを求める。
こうして、自分の学習を自分で動かせる人になることです。
学習計画表も、週次面談も、家族LINEも、確認テストも、教科書作りも、BLACKノートも、REPLAYも、そのためにあります。
管理するための道具ではありません。
今は外側にある学習管理の機能を、少しずつ本人の中へ移していくための道具です。
管理され続けることが目的ではありません。
他者からの支援を受けながら、自分の学習を自分で観察し、修正し、再実行できる人になること。
それが、STUDY HOUSEが目指す教育であり、このシリーズ全体の結論です。
主要参考文献
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STUDY HOUSEでは、管理から自己調整へ進みます
STUDY HOUSEでは、生徒へ課題を与え、提出を確認するだけの学習管理を目指していません。
学習計画表によって、目標を毎日の行動へ分解する。
週次面談によって、計画と実績の差を確認する。
家族LINEによって、家庭と学習状況を共有する。
確認テストによって、「分かったつもり」を実際の結果と照合する。
教科書一元管理によって、自分の知識を整理する。
BLACKノートによって、誤答の原因と次の判断基準を残す。
REPLAYによって、修正した知識を再検索し、再現できるか確かめる。
これらを一つの循環として実行します。
最初は、担任が計画や分析を支えます。
しかし、最終的には生徒自身が、
今の目標に対して、何が必要か。
どこまでできているか。
何が不足しているか。
なぜ計画どおりに進まなかったか。
次に何を変えるか。
を考えられるようにします。
「指示されれば勉強するが、自分では動けない」
「計画を立てても、実行や振り返りまで続かない」
「テスト結果を、次の学習へ生かせない」
「保護者が言い続けなければ、勉強が止まってしまう」
「高校や大学へ進んだ後、一人で学べるか不安がある」
そのような悩みがある方は、ぜひ一度STUDY HOUSEへご相談ください。
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